花火や盆踊りに着た浴衣は、夏の思い出を彩ってくれたのではないでしょうか。これからのシーズンも秋祭りやお月見など、まだまだ出番がありますよ!
ですが「汗をかいたけど、 毎回クリーニングに出さないといけないの?ちょっと面倒だな…」と、お手入れをどうすればいいか悩んでいませんか?
浴衣や夏着物は、素材によってはかんたんに洗うことができます。
このブログでは、来年も気持ちよく着られるよう、おうちでできるお手入れ方法から 着物のクリーニング専門店へお任せする場合のポイントまでをご紹介します。

1. 脱いだらまずは陰干し!

着用後の着物や浴衣・帯は、すぐにしまわずにまずは数時間、風通しの良い日陰で陰干しして湿気を飛ばしましょう。こうすることで、汗によるシミやカビを防ぐことができます。これは着た季節を問わずにおこなってくださいね。

干しながら、衿元、袖口、裾、全体にも汚れがないかチェックしていきましょう。

2. 洗濯できる素材かチェック!

自宅で洗えるかどうかは、着物や浴衣の素材によって異なりますが、綿や麻素材が多い浴衣は気軽に洗うことができます。
洗濯表示がついているものは、洗い方をチェックしてみてくださいね。
◆洗濯表示のマークについては、消費者庁のHP「新しい洗濯表示」をご覧ください。

【自宅で洗える素材】

木綿、麻、ポリエステル
・木綿、麻、ポリエステルなどの素材がミックスしてある生地
「洗濯可」の表示がある絹や化学繊維

【自宅での洗濯をおすすめしない素材】


草木染めなどのデリケートな染め物

絹やデリケートな染め物は、水洗いをすると縮んだり、色落ちしたりする可能性があります。無理せずクリーニング店にお任せするほうが安心かも…。

3. 洗う手順

以下の手順で優しく洗いましょう。

【ポイント】

1枚ずつ洗う:特に色の濃いものは、色移りの原因になるため、他のものと分けて洗いましょう。
予洗い:汚れやすい衿元や袖口、裾は、軽く手で揉んで部分洗いをしておくと、さらにきれいになります。
洗剤:蛍光剤や漂白剤が入っていない、おしゃれ着用の中性洗剤がおすすめです。固形洗濯石鹸は予洗いの時に、汚れが目立つ部分にこすって手洗いを。

洗濯機で洗う場合

1.着物を屏風だたみにし、洗濯ネットに入れます。
2.洗濯機の「ドライコース」や「手洗いコース」など、弱い水流で洗います。
3.脱水は短く(15~30秒程度)して、シワを防ぎます。

▼しわが心配な場合は、丸めて ひもなどでふんわりと固定すると安心です

▼ポリエステル素材などで しわがつきにくいものは丸めなくても大丈夫です

手洗いの場合

1.浴槽やたらいにたっぷりの水を張り、中性洗剤を溶かします。
2.着物をたたみ、優しく押し洗いします。
3.洗剤が残らないように、水を替えてしっかりすすぎます。
4.軽く脱水します。

どちらの場合も、浴衣や着物が優しく泳ぐようにたっぷりの水で洗ってあげてください。強く動かしすぎると縮みやすくなってしまうのでご注意を!

4. 帯のお手入れはどうする?

帯も着物と同様に、素材によってお手入れ方法が違います。

【おうちで洗える帯】

「洗濯可」と表示されているポリエステル製の半幅帯や兵児帯
・これらは着物と同じ手順で洗うことができます。洗濯表示をしっかりチェックしてください。

【おうちで洗わない方が良い帯】

ほとんどの名古屋帯・袋帯…主に絹、木綿
洗濯表示がない半幅帯…木綿、麻、ポリエステル

これらの帯は水洗いすると、
・縮み
・全体の変形
・糊が抜けてふにゃふにゃになってしまう
などが起きることがあり、お勧めしません。
着物や浴衣と同じく、着色汚れなどシミがついてしまった場合はこすらずに、すぐにクリーニング店へ相談しましょう。

5. 干すときのポイント

脱水したらすぐ干しましょう:濡れたまま放置すると色うつりの原因になります。
直射日光を避ける:色あせを防ぐため、風通しの良い日陰に干します。
シワを伸ばす:干す前に、軽くパンパンと叩くようにしてシワを伸ばしましょう。生地の端部分は丁寧に伸ばしておきます。
アイロンはお好みで絞りの浴衣や麻の着物など、凹凸のある生地はアイロンをかけないでください。せっかくの凹凸がぺたんこになってしまいます。木綿やポリエステルでシワが気になる部分だけ、軽くアイロンをかけても大丈夫です。

6. こんなときはクリーニング店へ

「自宅での洗濯はまだ不安…」とお思いになる場合や「着色汚れやインクをつけてしまった」という場合は、無理せずクリーニング店へお任せしましょう。何が付着して出来たシミか分かっている場合は、お伝えすれば専用の薬剤できれいにしてもらえます。

また、汗をかいた場合は、「汗抜き加工」をプラスしてもらうと、よりさっぱりと仕上がりますのでおすすめです。

夏の着物や浴衣は、お手入れ方法を知っていれば、汗や汚れをあまり気にせず気軽に楽しむことができます。今年の夏の思い出とともに、丁寧にお手入れしてあげてくださいね。次の出番もすっきり気持ちよく袖を通して楽しくお出かけしましょう!