こんにちは。川島織物セルコン社員のYです。

私は趣味で日本舞踊を習っていることもあり、お稽古着として着物や浴衣に触れる機会が多く、知らず知らずのうちに和装の沼にハマってしまいました。今日は、これからの季節にぴったりの和装、特に「浴衣」についてお話ししたいと思います。

暑い季節に欠かせない浴衣の存在

6月に入ると、洋服でもじんわりと汗ばむ季節になりますね。かつての和装の世界では、季節ごとにふさわしい着物が明確に決まっており、6月と9月には裏地のない「単衣(ひとえ)」、7月と8月には透け感のある「絽(ろ)」の着物を着るのが基本とされていました。(詳しくは前回のコラムをご覧ください:『単衣、もう着てもいい?』
そして、この時期に忘れてはならないのが「浴衣」の存在です。

▲様々な浴衣

浴衣は自由に楽しめる「夏のおしゃれ着」

実は、浴衣の着用時期に明確なルールはなく、「夏の時期=6月から9月」とされている程度のようです。ご存じの方も多いかもしれませんが、「浴衣」という漢字の通り、もともとは入浴時に着る衣類として使われていたものです。それが、現在のようにカジュアルなおしゃれ着として親しまれるようになったといわれています。
近年では猛暑や酷暑が続き、暑い季節が長引くこともあり、涼しく着られるおしゃれ着として浴衣が大活躍しています。
実際、私が習っている日本舞踊でも、8月から9月初旬にかけて浴衣で行う小さな発表会「浴衣浚い(ゆかたざらい)」があります。地域にもよりますが、9月でもまだまだ暑く、着物を着る気分になれない方も多いのではないでしょうか。

浴衣を“着こなす”ためのひと工夫

カラフルな浴衣に兵児帯を締めた子どもたちの姿は微笑ましいものですが、大人もそれぞれの個性に合った浴衣スタイルを楽しみたいですよね。でも、実は私、「浴衣の衿元や衣紋がなんだか頼りない…」と、ずっとモヤモヤしていたのです。
そんなときに出会ったのが、「浴衣にも衿芯を入れる」というテクニック。
掛け衿の裏側に縫い止めてある糸をほどき、そこに衿芯を入れるだけで、ぐっと印象が変わります。
浴衣専用の細めの衿芯も市販されていて、簡単に試せるのも嬉しいポイントです。

▲衿がシャキッとするだけで、清涼感と粋な雰囲気がアップ!

小物選びで“浴衣上級者”に

今回は、より大人っぽく見せたくて、帯を半幅帯から白い博多織の名古屋帯にチェンジ。
さらに夏用の帯揚げと帯締めを加えることで、まるで単衣の着物のようなコーディネートに仕上がりました。

▲帯や小物で、浴衣が「おしゃれ着」から「粋な装い」へ。足元は足袋と夏用の草履を合わせました。

浴衣をもっと自由に、自分らしく

最近では、SNSの影響もあり、和装を自由に、自分らしく楽しむ方が増えています。
昨年は、浴衣にくすみカラーの兵児帯や、男性用の兵児帯を合わせる方、チャンキーなサンダルを取り入れる方も見かけました。
浴衣売り場もバリエーションが豊富で、柄や価格帯もさまざま。自分にぴったりの一着が見つかりそうで、ワクワクしますね。

▲チャンキーサンダルと ふわふわ兵児帯

浴衣をもっと自由に、自分らしく

少しの工夫で、浴衣の印象はがらりと変わります。
皆さんもこの夏、浴衣をもっと自由に、自分らしく楽しんでみませんか?
大人だからこそ似合う、涼やかで粋な浴衣スタイル。ぜひ、お試しください。